2013年8月28日水曜日

『草原』25-07(通巻127)号より

夜明けひんやりと月見草  啓司
 月見草はメキシコ原産だとか。よくぞ日本までやってきて、美しい景色に寄与してくれたものです。夜明けの冷たい美しさがよく出ています。

呑みかけの茶の澄むしじま  錆助
 静かな空間で、呑みかけたお茶の成分?が沈殿して行く様を見ているところを想像しました。好きな景です。

鳥の声降る木陰に昼寝  錆助
 こうしたのんびりとした行動に憧れるのですが、臆病なせいでしょうか、屋外で寝るのが苦手です。

深夜目覚めて秒針の音  福露
 祖母宅で、よく深夜に目覚めていました。自分の意識がなくても周囲の時が流れて行くことに、不思議な感覚を覚えたものです。類句はありそうです。

老婆の通夜に老婆  独楽猫
 この句は、吉田幸一氏の「車椅子押す子も白髪」の後の話となりましょう。あるいは、通夜に来てくれる人の中に、若者がいないということかもしれません。魔女が集まって儀式を行っているように見えます。

石女たちがゆれる水面  独楽猫
 自称・他称の石女たちが、川辺でおしゃべりをしているのでしょう。それぞれの悩みが、水面に映し出されているかのようです。

九十の峠を越してなんのことなし  かいじ

 皆さん、ごくごく当たり前に齢を重ねているのでしょうが、未だ九十を超える長寿者を出していない我が家系からしてみれば、驚嘆するほかありません。どうぞ健やかに。

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