2013年3月30日土曜日

『草原』25-02(通巻122)号より


小さな手で小さな雪だるま  錆助
 一月の中旬に私が住むまちでもようやく雪が積もったので、雪だるまを作って遊んでみました。ひとりで。あまりに寒かったので、手のひら大の雪だるまを作って終わりました。この「小さな雪だるま」と変わらない大きさだったかと思います。次回はもっと頑張りたいです。

孫の来る予感肉を買い足す  福露
 スーパーを歩いていると、びびっと何かが来たのでしょう。祖母の第六感というやつでしょうか(あるのでしょうか)。果たしてこの予感は当たったのかどうか。しかし子供は肉が好きですね。

世界の終焉らしい朝湯に浸かる  賢太郎
 特集「粟野賢太郎と中筋祖啓」中の書下ろし十句より。この感覚は、私も覚えた記憶があります。朝湯の湯気のせいでしょうか、どうも世界が終わる気がしたものです。

大きなあくびで今年も終わり  かいじ
 子供の頃は、年越しが楽しくてなりませんでした。テレビでは何か特集をやっていますし、食事もいつもと違いますし、日をまたぐまで起きていてもいいのですから。しかしいつしか、そういう感覚もなくなってしまいました。いつも通り、いつも通りに年を越していきます。

風が方位うしなった炎天の街角  句塔
 句塔の従軍句は、句材が句材なだけに、やや説明的になりすぎる傾向にあるように思います。しかし、いずれも大変興味深いものです。そのような中で、この句は特に好きです。南国の街をさまよっていると、ほのかに涼を感じることができていた風が止まってしまった。その瞬間を句にしたのでしょう。旅に出たくなります。