2012年11月20日火曜日

『草原』24-09(通巻117)号より


こだま正しくこだまする  瞭
 こだまをきいて、「うむ、正しい」と頷いている作者を想像してくすりときました。今度山へ行った際に、私もその正しさを検証してみます。

人に運転させて明るい月を見ている  瞭
 私はドライブが好きなのですが、免許をもっておりません。そこでドライブをする(?)際には、いつも助手席です。我ながら、いい身分と思いながら、月やらきれいな景色を見て楽しんでいます。その分、ガソリン代は多めに払いますが。

ひとり砂浜に居れば散歩する人に挨拶される  啓司
 スーツ姿で砂浜に座って海を見ているサラリーマンを思いました。砂浜の近くに住んでいる人にとっては、日常の散歩コースなのでしょうね。犬を散歩させている人も、よくいるように思います。

のこすものもたず六十になる  句塔
 草原に掲載されて早数か月、戦地に赴く若者だった句塔も、齢六十となりました。私の祖父と同世代の男の人生を、句の中に追ってきましたが、とても不思議な感じがします。

蚊遣焚いて昼をひとりの幕舎かな  北村旅団長
 メレヨン句集掲載句の中でも、北村旅団長の句がたいていいつも私のつぼにはまります。ひとりの幕舎とは、まさしく旅団長らしい句です。個人句集など出していないのでしょうか。

仰ぎ見る銀河に千代の物語り  野原少尉
 現代日本に生きる私たちには、なかなか見られないような銀河が広がっていたのでしょう。千代どころではない、はるか昔の星の光が、戦士たちを見守ります。

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