2012年5月19日土曜日

『草原』24-01(通巻109)号より


悪戯が障子を破る  福露
 罪を憎んで人を憎まず、でしょうか。年末に帰省した折、実家の障子が破けていたのですが、案の定、ようやく立ち始めた甥によるものでした。

どんぐりを蹴った先にもどんぐり  滋人
 例年ですと、秋の涼しい時期に友人と軽登山を行っていたのですが、昨年は結局一度も登りませんでした。心の余裕に欠けておりました。どんぐりを眺めながら、ゆっくりと歩きたいものです。

独り歩きしている父の句にあう  瞭
 こういう出会いは嬉しいですね。時を越えて独り歩きしていく句を、世に送り出したいものです。

この矢印の先はどこだ  権三郎
 確かにどこなんでしょう。現代句ですと、「この↓の先はどこだ」と、矢印の部分が記号になってしまいそうに思いました。完全に余談ですが、イスラーム教徒は、サウジアラビアにある聖地マッカ(メッカ)に向けて一日五回礼拝をしますが、日本にいる彼らは「北西」へ向かってやるそうです。未だに腑に落ちません。

ゴミに出すイスに掛けてみる  慶
 いざ捨てようとすると、愛着が湧いてくるものです。御苦労さまと労いたくなりますね。

ジャワの朝の雀の声  句塔
 異国の地にて、日本で見たのと同じ風景を見たのでしょう。以前にウズベキスタンに行った際に、雀の声で目が覚めて違和感をおぼえたことを思い出しました。木村緑平なら、どう詠むのでしょうか。

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