2012年5月19日土曜日

『草原』23-07(通巻103)号より


 続けて飲む新幹線の酒の旨い  明人
 列車内でスーツを着た男性が飲んでいるのをたまにみかけますが、旨そうにやっています。すぐに顔が赤くなってしまうので、私には真似できません。

 髪梳く老女は生娘でいる  渓子
 よく、男性はいつまでたっても子供のままで、女性はそうではないとききますが、そんなことはないのですね。

 砂丘の風に吹かれ枯井戸を見下ろす  瞭
 友人が海外の砂漠地帯で仕事をしていました。砂漠の中にいくつか村が点在するのですが、そこに水を通す仕事です。以前に使っていた井戸はもう枯れてしまっていたそうです。しかし昨今の情勢によって、そのプロジェクトも休止になってしまいました。

 テレビ台の裏から亀が出てくる  瞭
 これはもう、こういう状況があるのか、と驚くほかありません。テレビもその台も、亀もいない我が家では、詠めない句です。亀も室内を散歩するんですね。

 冷蔵庫ひらいてしばらく考える  福露
 たまにあります。電気代が気になりますね。

 春の日の中へお灸のけむり  敬雄
 放哉の辞世の句を思い出しました。春と煙は、よく合う組み合わせなのかもしれません。

 電話切ってしゃからしかはどこの言葉  ゆ
 私の地元では、「せからしか」と言っておりました。共通語かと思っておりましたが、違うのかもしれません。意味はなんといいましょうか、まあ、せからしい、ということです。

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