2012年5月19日土曜日

『草原』22-06(通巻90)号より


泣く子を背負い一輪車を押す  福露
方言なのかどうかわかりませんが、私の地元では一輪車を「ネコ」と言っていたように思います。お子さんのおもりと農作業と、大変そうです。

春風に乗って湯の沸く音  風狂子
春風の中でうたたねをしていると、台所の方からやかんが鳴って、目が覚めたという状況でしょうか。台所の方にはやかんを見る方がいて、作者はただ居間に寝転がっていただけではないかと想像しました。

ポスターの女が破れた手をふる  ゆ
一度張られたポスターは、なかなかはがされません。ところで彼女は美人さんだったのでしょうか。

花に急かされ筍掘りに行く  白兎
 春の花が咲くと筍の時期ですので、ついつい筍探しに出かけてしまうということですね。未だに筍掘りなどしたことはありませんが、作者の「筍・たけのこ」の記事と句を読んで、私も行ってみたくなりました。

電燈一つに靴工三人冬夜仕事してをる  吾亦紅
働き者を詠んだ句ですね。電燈一つを三人で共有し、冬の寒い中を仕事に勤しんでいる様に、靴工の悲哀をみました。

今どき甘いみかんふるさとのみかん  かいじ
珍しく甘いみかんだなと思ったら、実は慣れ親しんだふるさとのみかんだったということですね。やはり自信を育んだ水で作られているからでしょうか、体に合うのでしょう。

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