2012年4月30日月曜日

『草原』21-10(通巻82)号より


 杖置いて動けない藤棚の風  昭代
散歩の途中で藤棚の下にて一休みしたところ、風が気持ち良すぎて、体が言うことをきいてくれなくなった様と見ました。涼しい、静かな時間です。

出棺はイマジンの曲でと逝ってしまった  福露
 故人もきっと、自身の出棺の様子を嬉しそうに見ていたのではないでしょうか。

 三輪車卒業した孫は一輪車  
 二輪車を飛ばしてしまったようです。子供のころに一輪車を練習した時期がありましたが、ついにはあきらめてしまいました。

 時が移ってもあの時の蝉の声  
 決して忘れられない暑い日々が、作者の脳裏に焼き付いているのですね。

 沢の音届く枕元  へら彦
 沢沿いの宿か、あるいはテントに宿泊した際の句と見ました。涼しい夏の夜の様が伝わってきます。

延命不要の短冊を笹に結ぶ  権三郎
 一読してぞくっとしました。強い意志と覚悟を感じる句です。穏やかな時間を過ごされることを願っております。

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